桜ノ華
罪か罰か
それは冬の終わり、春の手前。
雪がちらつく日の夕方。
「お疲れさま。頑張ったね、桜さん」
無事、出産を終えた。
予定日より早かったから小さいけれど、元気な女の子だ。
「ありがとうございます…」
やっと会えた愛しい子。
腕に抱きしめ、頬を擦り寄せる。
「じゃあ、検査とか色々済ませるね。
少ししたら桜さんも病室に戻れるから、ゆっくり休んで」
「はい」
母親というものは不思議だ。
既に限界を超えていたはずの体力なのに、
我が子を抱いた瞬間に疲れは吹っ飛んでしまった。