Blackberry〜黒い果実〜
リビングに入り、椅子に座った時だった。


来客を知らせるチャイム。
キッチンにいるお母さんの代わりに、リビングの入口にあるインターホンを見た。


咄嗟によぎる双葉の言葉。


『デートに……』


まだ寝起きの身体に周りきっていない血液が、一気に足元目掛けて落ちていく。


今は……。
今はたとえ一葉でも会いたくなかったのに。


なんで?
現実はこんなにも辛いのだろう。

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