Blackberry〜黒い果実〜
でも……。


玄関のドアを開けて、照明を点ける。
眩しさに目を細めながら思い出す。


『ゴメンナサイ……、高瀬先輩』


小さく。
本当に小さく聞こえたアレは。


光に慣れてきた目を一度閉じた。


俺の願望なんかじゃないはず。
そうだ、確かに彼女はそう言ったんだ。


高瀬先輩、と。


彼女は元々俺を知っていた?
先輩と言っていたくらいだから、高校の後輩か?

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