Blackberry〜黒い果実〜
「どちらさま?」


「竜司です」


「ちょっと待って、いま開けるから」


それから暫く、重そうな鍵の音がして扉が開く。
漏れだす光のあとに先輩が顔を覗かせる。


「入んなよ」


そう言って扉の中に消える先輩。
閉じかけた扉に手を掛け、続けて中に入る。


「鍵、閉めといて」


その言葉に後ろ手で鍵を閉める。
先輩は振り返らずに、奥の部屋に入っていった。


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