Blackberry〜黒い果実〜
後をついて部屋に入ると、先輩は大きな事務用のデスクに腰掛けていた。


「座れよ」


そういう先輩の目線を追うと、小さな応接セットが目に入る。
前に来たときと同じ場所に腰をおろした。


「何か飲むか? なんでもあるぞ」


ロックグラスに入っている氷を鳴らしながら先輩が話掛けてきた。


「いいえ、それよりも……」


それとなく先を促すと、目の前のテーブルに一枚の履歴書が投げ出された。

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