Blackberry〜黒い果実〜
履歴書に目を落とす。


どこにでもいそうな、茶髪の巻き髪。
化粧が薄いのが少し特徴的だった。


「借金……、あとどれぐらい残ってる?」


先輩の声が頭上から降ってくる。


“借金”


その言葉に肌が粟立つ。
下を向いたまま答える。


「先輩に仕事を紹介してもらったおかげで、あと300ほどです」


「そうか」


その声とともに、履歴書の上に万札の束が落ちてきた。


< 135 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop