Blackberry〜黒い果実〜
歩きながら、無造作に捕まれた右手を見つめていた。
私はどこに向かっているのだろう?


私みたいなのを、ただ食事に誘うなんて考えられない。
“若葉”のときならまだしも、今は“一葉”なのだから……。


恐る恐る彼の横顔を見る。


先ほどと変わらない笑顔。
でもその笑顔が、何を考えているのか分からなくて不安になる。


“怖い”


色々な心配が頭を駆け巡る。
ぐるぐると視界も回る。

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