Blackberry〜黒い果実〜
「ゴメン。また調子に乗っちゃったね」


彼の言葉が何処か遠くから聞こえる。


「一葉ちゃんにだって、付き合ってる人や好きな人がいるかもしれないのにね?」


好きな人……。
その言葉に高瀬先輩の顔が浮かんだ。


その映像を掻き消すように、小さく頭を振る私がいた。


「困らせちゃったかな?」


少し寂しそうな顔を浮かべ、彼が言う。
その顔をまじまじと見つめる。


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