Blackberry〜黒い果実〜
振り返らないようにするために、見つめるものが必要だった。
振り返っても、影を消してくれるような強い光が必要だったんだ。
「一葉」
そう呼ばれるたびに、彼の声色は私に染み渡り。
さりげない気遣いで差し出される手。
ふらつく私を支える両手。
触れられるたびに、私の身体は熱を帯びる。
もっとこの人の事を知りたい。
居酒屋を出るときには、そう思えるくらい私の気持ちは育っていた。
振り返っても、影を消してくれるような強い光が必要だったんだ。
「一葉」
そう呼ばれるたびに、彼の声色は私に染み渡り。
さりげない気遣いで差し出される手。
ふらつく私を支える両手。
触れられるたびに、私の身体は熱を帯びる。
もっとこの人の事を知りたい。
居酒屋を出るときには、そう思えるくらい私の気持ちは育っていた。