Blackberry〜黒い果実〜
横にあった手が、柔らかく頭を撫でる。


「タクシー捕まえに行こ」


その言葉を聞き終わらないうちに、竜司に手を捕まれ通りまで走った。
タクシーはすぐに捕まり、竜司が私だけを詰め込む。


「竜司は?」


「俺はこれから仕事」


そうだ。
竜司も夜の人間だった。


竜司が運転手にお金を渡す。


「いいよ、自分で出すから」


< 159 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop