Blackberry〜黒い果実〜
部屋に戻ってからゆっくり返信しよう。


携帯をバッグにしまい、物音を立てないように階段を昇る。
突然、二階の廊下が明るくなった。


「双葉?」


双葉の部屋から漏れ出す光が眩しくて、思わず手を翳す。


「おかえり」


「あっ、……うん。ただいま」


竜司への返信を考えていたところだったから、少し返事に戸惑ってしまった。
平静を装うようにゆっくりと階段を昇りきると、双葉に手を捕まれる。

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