Blackberry〜黒い果実〜
――帰らなきゃ。


見上げていた視線を落とし、高いヒールが滑らないようにと気をつけながら歩き出した。


店の裏口がある路地裏から出ると、繁華街は師走の賑わいを見せていた。


時刻は日付が変わるちょっと前。
まだまだ、これからの時間だ。


もう帰る人、今から飲みに出る人。
それらに混じってこれから出勤だと思われる派手な女性達。


その人達を掻き分けながら、繁華街の外れに向かっていく。

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