Blackberry〜黒い果実〜
携帯を閉じて、静かにバッグへ入れた。


あたしもあんな風に手を繋いで……。


そう思って見た桜の木の向こう側。
まるで見てはイケないものを見てしまったかのように、時が止まる。


一瞬で分かった。



……お姉ちゃん。



スーツをラフに着こなした男と、仲良さそうに繋がれた手。
白い七分丈のパンツ、淡いグリーンのストールと見間違えるような笑顔。

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