Blackberry〜黒い果実〜
そうだ。
あたしには愁ちゃんがいるんだから。


ドアの前で目を閉じて、深呼吸を何回か繰り返す。


これからデートなんだから……。


お姉ちゃんのことは忘れなきゃ。


目を開けば、いつものあたし。
なにもなかったかのように、クローゼットに向かう。


桜並木に似合う春のような格好がいいな。


昨日のお姉ちゃんを一瞬思い出したが、頭を振って映像を追い出した。

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