Blackberry〜黒い果実〜
もう一度ベッドに腰掛けると、約束の時間から30分が経っていた。


目に映る部屋の情景が、一つずつ色を失っていく。


窓の外、青い空を見ながら携帯を耳にあてる。


お願い……。
出て。


“ゴメン”
って一言、言ってくれればいいから。


祈るように呼出し音を数える。
途切れる呼出し音。
思わず立ち上がる。


「しゅ……」
 『ただ今電話に出ることが出来ません』

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