Blackberry〜黒い果実〜
携帯が滑り落ちる。
すべての景色が色を失い、すべての動きが止まったような感覚。


留守電じゃなくて、拒否。
そこには愁ちゃんの明確な意思があって。


それは、あたしと会いたくないってこと?


なんで?
どうして?


なにかの間違いでしょ!?
あたしがなにしたっていうの!!


溢れるままに頬を伝うモノ。
崩れるように膝を付くと、階下から物音。


震えるように反応するが、すぐに裏切られる。


「ただいまぁ」

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