Blackberry〜黒い果実〜
一葉が買ったテレビの配達を頼んでいる時に、店の外に出た。


携帯をポケットから取り出し、大きく息を吸って吐いた。


電話帳から先輩の名前を探して、発信ボタンを押した。


駅前の電気屋、その前にいるのに驚くほど静かだ。
呼出し音だけが大きく聞こえる。


『竜司か?』


「はい……」


携帯を持つ手に力が入り、嫌な汗が滲む。


「お話があります」

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