Blackberry〜黒い果実〜
携帯の向こうからジッポの綺麗な音が響く。
その後に続いて、煙を吐き出す音。


それが何処かため息に近いような気がした。


『良い……、話しじゃないようだな』


見透かされているようで、ドキッとする。


「……すいません」


『本気になったってことか?』


一葉の笑顔を思い浮かべて、目を閉じる。
酷く口が乾く。
絞り出すように気持ちを声に変えた。


「はい」

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