Blackberry〜黒い果実〜
思わぬ再開に衝撃と喜びを感じた。


「はじめまして、若葉です」


そして、“はじめまして”と冷たい笑顔で言う君。
あの日と同じ拒絶感に、再び胸を締め付けられる。


忘れよう。
そう、忘れようと何度思ったことか。


でも忘れられなかった。


「高瀬ってぇんだ。イイ男だろ」


佐藤社長から、紹介されて会釈を交わす。


あんなに忘れられなかったはずなのに、今は、はっきりとした拒絶が逆に嬉しい。

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