Blackberry〜黒い果実〜
俺の視線に気付いたのだろう。
佐藤社長が彼女に話題を振った。


「おっ、嬉しいじゃねえか。それ着けてくれてるんだな」


「どうぞ」


彼女が俺の目の前にグラスを置いて、その手でブレスレットを弄る。
そして、ゆっくりと佐藤社長を見つめる。


「当たり前じゃないですか。結構気に入ってるんですよ、佐藤社長から頂いた、これ」


“お姉ちゃんのなの”


双葉の言葉が頭の中で何度も響く。

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