Blackberry〜黒い果実〜
「……もう、全部散っちゃったよ」


あの日愁ちゃんと見るはずだった桜並木。
すでに花びらたちはその姿を消し、代わりに主張する新緑の力強い葉桜。


『ごめん、どうしても外せない仕事が入って。今度埋め合わせするから』


約束の時間を半日も過ぎてから送られてきたメッセージ。


どんなに鈍いあたしでも分かる、ウソ。
なんでなのか、そんなことは考えたくもなかった。
ただ裏切られた事実、そして幸せになれないあたし。
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