Blackberry〜黒い果実〜
壁に掛けてある時計を確認して、デスクの上にある書類をまとめ席を立つ。


ヨシッ。
約束には間に合いそうだな。


歩き出す前に携帯を取り出し、彼女からのメールを見ながらそう思った。


タイムカードを差し込み、一日の業務が終了。


……のはずだったのに。


「高瀬! 電話だ」


課長の声が聞こえたのは、まさしく事務所を出ようとしているときだった。


振り返る俺に、さらに残酷な現実が待っている。

< 26 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop