Blackberry〜黒い果実〜
「佐藤工務店の社長から、三番」


課長の意地悪そうな顔が僅かな笑みを浮かべて、そう付け足した。


またか……。


心の中で吐き捨てるように呟き、肩を落としながら自分のデスクに戻る。
受話器を持ち上げ、一度ため息をついてから三番のボタンを押した。


「お電話代わりました、高瀬です」


『おうおう、またまたわりぃな。実は紙が詰まっちまってよ、どうにもこうにも動かねえんだ』

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