Blackberry〜黒い果実〜

おいおい、タヌキ寝入りか？
そう、思ってしまうくらいの勢いで社長はパッチリと目を開いた。
しかし、そんな疑惑は軽く次の行動で翻される。


「おっ！ いいねぇ。いいよ、行こう」


と言いながら、あらぬ方向を見つめる社長。


頭にくらくらとするものを感じつつも、社長に肩を貸しながら立ち上がらせる。
なんとか、タクシーに乗せて運転手に行き先を告げた。


走り去るタクシーを見つめ、もう一仕事と携帯を開く。
リダイアルにある佐藤工務店の番号に掛けた。