Blackberry〜黒い果実〜
「あ、どうも。高瀬です。今、社長タクシーに乗りましたんで」
「はい。……はい、ではまた」
社長の奥さんのすまなそうな声が、何度も何度も頭を下げる姿を想像させる。
きっとこれから外に出て、社長の帰りを待つのだろう。
優しい、良い奥さんだ。
携帯を胸元にしまい歩き出そうとした瞬間、視界が180度ひっくり返った。
腰と肘が痛む。
視界に入る夜空が、自分の吐息で白く霞む。
ゆっくりと体を起こし、壁に手をつきながら立ち上がった。
「はい。……はい、ではまた」
社長の奥さんのすまなそうな声が、何度も何度も頭を下げる姿を想像させる。
きっとこれから外に出て、社長の帰りを待つのだろう。
優しい、良い奥さんだ。
携帯を胸元にしまい歩き出そうとした瞬間、視界が180度ひっくり返った。
腰と肘が痛む。
視界に入る夜空が、自分の吐息で白く霞む。
ゆっくりと体を起こし、壁に手をつきながら立ち上がった。