Blackberry〜黒い果実〜
化粧台と服の掛かっているハンガーパイプ、それと今横になっているベッドだけの殺風景な部屋。


それと今も滴る水の音が、ここが自分の部屋だと訴えていた。


見渡していた視線を下に落とす。


髪をかきあげていた手でそこにある肌に触れる。
すやすやと寝息を立てる横顔。


指先を触れた肌から離し、自らの唇に触れた。


「……ウソ」


と、呟いてしまった言葉を隠すように。

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