Blackberry〜黒い果実〜
固い……、空気に押し潰されそうだった。


どこの場面を見られたんだろう。


動かせない視線。
コーヒーカップを傾けるお父さん。


何を言っても墓穴を掘りそうで、昨日の行動だけがぐるぐると頭の中を巡る。




コトリッとマグカップが目の前に置かれた。


「まあまあ、いいじゃないですか。一葉も、もう大人なんですから」


助け舟を出してくれたのは、双葉と並んだら確実に私よりも姉妹と間違われるお母さんだった。

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