Blackberry〜黒い果実〜
『そっか、分かったよ。でも当日欠勤は罰金だからね』


「ホントにスイマセン」


片手に持った携帯を耳にあてながら、相手に見えるはずもないのに大きく頭を下げた。
うっすらと肩に積もっていた雪が地面に落ちる。


『うん。まあ、無理はしないように』


「はい。では……」


携帯を閉じてバッグに入れた。
後ろを一度振り返ると、ちょうどマンションの自動ドアが見える。


それを確認してから、ファミレスのドアを開けた。

< 49 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop