Blackberry〜黒い果実〜
誰しもが足早に通り過ぎていく雪の中、一人ゆっくりとした歩みで徐々に大きくなる人影。


馬鹿みたい……。
肩を白く染めた人影を見て、そう思った。


「ホント、馬鹿みたいに優しいんだから」


そうだ。
この人は昔と変わらず、優しい人なんだ。


そういう所に憧れたんだ。


目の前まで歩いてきた高瀬先輩は、何度か後ろを振り返りファミレスを通り過ぎていった。

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