Blackberry〜黒い果実〜
一度、空を見上げ目を閉じ、大きく息を吸い込んだ。
何かのスイッチをカチリと切り替えて携帯を取り出す。


通話ボタンを押して携帯を耳にあてた。


「はい」


『おっ、若葉ちゃん?』


「当たり前じゃないですか、佐藤さん誰に掛けたつもりなんですか?」


ファミレスの窓ガラスに自分の姿を見る。
さっきまでの沈んだ表情はどこかに消え、笑顔で話をする私が映る。

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