Blackberry〜黒い果実〜
頭上からあからさまなため息が聞こえる。


「どうかしたの? ここ最近、ボーッとしてること多いけど」


店長の言う通りだ。
確かにあの日以来、高瀬先輩のことを考えない日はない。


でも、正直ここまで自分を乱されてしまうなんて……。


「じゃあ、明日には必ず持ってきて」


その言葉と同時に目の前にあった手は引かれ、二度ほど軽く肩を叩かれる。


「もう、頭上げなよ」

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