Blackberry〜黒い果実〜
ゆっくりと静かに頭を上げるのとほぼ同時に、店内と事務所を繋ぐ扉が開かれる。


そして店長を呼ぶボーイの声。
それに答えた店長は最後に笑顔を作り「お疲れ様」とだけ言って、店内へと戻っていった。


裏口から出ると、どうしようと困ってばかりだった頭は外の冷気に冷静さを取り戻す。


「鍵……、返してもらわないと」


その言葉を口に出すことによって考え出したのは、高瀬先輩にこれ以上会わないようにするにはどうしたら良いのか。

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