Blackberry〜黒い果実〜
「ちょ、ちょっと待って!」


後ろから聞こえるお姉ちゃんの声。
でも、もう遅い。
勝手知ってるなんとやら、クローゼットを開けて中を見回す。


仕事で着てるんだろうな、と思えるカチカチに堅そうな服に混じって、掛かるお姉ちゃんの私服。


「双葉ぁ、勝手に漁らないでよ」


そう言いながらあたしの視線を塞ぐように、クローゼットの前に立った。


「イイじゃん。デートに着てく服貸してよ」

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