<完>孤独な姫さんは世界一の総長 番外編
慧「味わっていない人は、幸せなのかな。体が動かないこととか必死で自分を救おうとしていることか痛さとか分からないままここに来たんだもんね。」
慧「でもさ、それを味わっていない分、なんで死んだのか実感できないし周りに何も言えないままだし仲間や家族がどんな顔をして看取ってくれたとか分からないし、それもそれで寂しいんじゃないかな。」
寂しい?
分からない。
その気分を味わえてたら、もっと分かっていたかもしれないけれど。
俺にはあの悪夢しか知らない。
慧「僕が死ぬ時、紀優が必死な顔で僕を『死ぬな』って言ってくれたことずっと忘れない。だからこそ、今があると思ってる。」
真っ直ぐ見るその目、何かを見透かされている気分で嫌になる。
慧「ねえ、友希。嫌なことに隠れたもの、忘れないで。何があったの?何がそんなに嫌だった?それは本当に嫌だったこと?」
そんなのない。
俺は、、