世界が虹色に輝く日
「いや、俺、お前に嫌われたかと思った。俺も自分のことだけしか見えてなかった。‥‥自分の気持ちに気づいたから。俺ってほんと、何にも考えないで動くからさ。」
「えっ、それって‥‥?」
「葵衣が好きだ。手、引っ張ったりしてごめんな。」
少しだけ引っ込んだ涙がまたまた溢れてきた。
「‥うぅ‥‥、大輝ぃ‥、私も、私もだよぉ‥‥。」
「葵衣‥‥」
「え、ちょっ、大輝!?」
今、なにが起きているのかわからなかった。ただ、目の前には小さい頃とは違う、大輝のしっかりとした胸板があった。
私の涙はもうどこかに吹き飛んでいた。そして私は大輝の背中に両手を回した。
いつもより帰る時間は大分遅くなった。でも、私の右手には大輝の左手があった。
いつもとかわらないこの世界が虹色に輝いて見えたのは、きっと隣にキミがいてくれてるからだよね。
*‥ END ‥*