世界が虹色に輝く日
「‥‥衣‥‥葵衣‥‥葵衣!」
「ふあ!未央!?」
「葵衣、寝すぎ。午後の授業全部寝てたじゃん。もう放課後。」
「窓際の席だしさ、今日気持ちいいんだよね。お日さまのあったかいひかり。」
「もう夕日だけどね。ってか、男バス、今日も練習してるって。」
「‥‥‥なんでそれを私に言うの。」
「葵衣の彼氏が、頑張ってるのに彼女は応援しなくていいのかなーって。」
「はいはい、未央自慢の彼氏、雅紀(マサキ)先輩のことみにいきたいのね。」
「あー、バレた?」
未央は頬を少し赤くして頭をかいた。
そう、未央は一年上の雅紀先輩と付き合っているのだ。
大輝と同じバスケ部の雅紀先輩はとても女子から人気があって、まわりには、いつもかわいい子がたくさんいる。
それを見て未央は
「なんで付き合えたのかな。」
とよく言うけど、未央も未央ですごくかわいい。
「今年のミスコンはこの子だな」と裏でささやかれてるくらいだから、皆公認のかわいさなんだと思う。
しかも、運動できるし頭いいし完ぺきだと思うんだけど、なぜか未央には自分に自信がないらしい。
「葵衣、またボーッとして。起きてるよね?」
「さすがに、起きてるよ!」
「早く行こっ」
私と葵衣は教室の扉を閉めて、バスケ部のいる体育館へ向かった。