世界が虹色に輝く日


気づけば、練習は終わっていて体育館にはほんの少しの人しかいなくなっていた。


「未央、帰ろうか。」


そう言って、未央の肩をポンとたたく雅紀先輩。


いつのまに雅紀先輩が。


「あ、雅紀くん。でも葵衣が‥‥」


未央は、自分が雅紀先輩と帰ると私がひとりで帰ることになるからすごく戸惑っている様子だった。


「じゃ、3人で帰ろうか。」


そう、雅紀先輩は言ったけれど二人の時間を邪魔するワケにはいかない。



「あ、いえ大丈夫です。私、ひとりで帰る‥「こいつは、俺と帰るから心配しなくていいですよ、先輩。二人で仲良く帰ってください。」


後ろから私の言葉を遮るように入ってきた聞き覚えのある声。


「あ、じゃあお願いするな。大輝。」


「はい、お疲れさまでした。」


やっぱり‥‥、


「大輝‥‥」


「あ?帰るぞ。葵衣。」



「私、ひとりで帰れるもん。」



「暗いから危ないっつってんだよ、ほら。」



大輝は私の手を引いて校門へ向かう。


「た、大輝!?」


「こうしないとお前、帰んないだろーが。」


大輝、なんでこんなことするの?私のことなんか頭のすみにもないくせに。



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