世界が虹色に輝く日
「おい、何してんだよ。」
「た、大輝‥‥」
一時間ほど前に会ったばっかなのに、変にひさしぶりに感じる。
「離してやってくんね?そいつのこと。」
「チッ、男いやがる。‥‥いこーぜ。」
パッと、そいつらは私の腕を離した。腕には強く掴まれた赤い痕があった。
「葵衣‥‥、大丈夫か?」
「大輝‥‥、ごめん‥、ごめんね‥‥」
さっき止まったばかりの涙がまた溢れ出してきた。
「私、自分勝手にあんなこと言っちゃって‥‥、大輝の気持ち考えてなくて‥‥大輝を傷つけた‥。」
「葵衣‥‥、お前、そんなこと‥‥。」
「うぅ‥‥、‥そんなことって何よぉ。」
涙は止まるどころか、だんだんと増えてくる。もう、制服の袖はグショグショだった。