あなたと恋の始め方①
言葉に出来ない私の横で折戸さんはウィスキーを飲みながらまた仕事の話をする。新商品の内容が思ったよりも良かったこと。これなら欧州全体に売り切る自信があるとさえいう。フランスの営業のことなんかわからないと思っていたけど、折戸さんの説明がいいからか、よくわかる。本当に面白い。私たちの開発した商品がどのように世界中に売られていくかを面白く感じてしまう。
いい商品を開発するのが私の仕事、そして、商品を売るのが折戸さんたち営業の仕事。上手く噛み合うことで会社も成長する。折戸さんの話は本社営業一課での日々を思い出し、懐かしくも感じるけど、やはり研究をしている方が好きだと思える。
仕事の話は出来るのに、肝心な話が出来ない。話の糸口を見つけるのが難しかった。
「さてと、帰る準備をしようか?」
「え」
「迎えに来るにしろ。来ないにしろ。そろそろ10分経つよ。今から準備してちょうどいい」
賭けをするとも言ってないのに。折戸さんは綺麗な微笑みを浮かべ帰り支度を始める。そして、お金を払い終えると、私の方を優しく見つめた。もちろんここでも私には払わせてくれない。
「じゃ、行こうか?」
さっき、言ってからもうそろそろ10分経つ。でも、こんなに早く小林さんがここ来れるとは思えない。掛けは折戸さんの勝ちで私は小林さんに迎えに来て貰っているのに、折戸さんと一緒に帰らないといけないのだろうか?
そんなのは無理。
「折戸さん…あの」
いい商品を開発するのが私の仕事、そして、商品を売るのが折戸さんたち営業の仕事。上手く噛み合うことで会社も成長する。折戸さんの話は本社営業一課での日々を思い出し、懐かしくも感じるけど、やはり研究をしている方が好きだと思える。
仕事の話は出来るのに、肝心な話が出来ない。話の糸口を見つけるのが難しかった。
「さてと、帰る準備をしようか?」
「え」
「迎えに来るにしろ。来ないにしろ。そろそろ10分経つよ。今から準備してちょうどいい」
賭けをするとも言ってないのに。折戸さんは綺麗な微笑みを浮かべ帰り支度を始める。そして、お金を払い終えると、私の方を優しく見つめた。もちろんここでも私には払わせてくれない。
「じゃ、行こうか?」
さっき、言ってからもうそろそろ10分経つ。でも、こんなに早く小林さんがここ来れるとは思えない。掛けは折戸さんの勝ちで私は小林さんに迎えに来て貰っているのに、折戸さんと一緒に帰らないといけないのだろうか?
そんなのは無理。
「折戸さん…あの」