あなたと恋の始め方①
好きです
時間は夜の11時を過ぎたくらいになっていた。店の前に出るとそこには私達三人しかいなくて、少し先に見える大通りには夜の時間を楽しんでいる人がたくさんいる。たった少し離れただけでもこんなにも違う。空間が切り取られたみたいに静寂で、月が綺麗だった。
月の光は青白く私たちを包んでいる。
私の横に立つ折戸さんは月明かりの下眩い微笑みを浮かべていた。立っているだけなのに、冴え冴えとした美しさを感じさせた。私の視線に気付いたのか折戸さんは優しく微笑み掛けてくる。何をいうでもなくただ、優しく微笑んでいた。そして、フッと小さく息を零すと小林さんの方を真っ直ぐ見つめた。
「蒼空。車か?」
その言葉を受けて小林さんは息を整えながらも強い視線で折戸さんを見つめている。いつもの爽やかさも優しさもなくそこにあるのは強く男らしい視線でその真っ直ぐさにドキッとしてしまった。
「はい。近くの駐車場に置いてます」
「なら安心だな。俺はまだ少し仕事を残しているのでホテルに戻るから美羽ちゃんのことを頼むよ」
「はい。マンションまで送ります」
小林さんの言葉に折戸さんは満足げに頷くと私の方を見てニッコリと笑った。その微笑みは本社営業一課で初めて会った時のように感じたのは何故だろう。折戸さんは最初から優しかった。
「美羽ちゃんが頑張っているのを見ることが出来て安心した。じゃ、俺は帰るよ」
月の光は青白く私たちを包んでいる。
私の横に立つ折戸さんは月明かりの下眩い微笑みを浮かべていた。立っているだけなのに、冴え冴えとした美しさを感じさせた。私の視線に気付いたのか折戸さんは優しく微笑み掛けてくる。何をいうでもなくただ、優しく微笑んでいた。そして、フッと小さく息を零すと小林さんの方を真っ直ぐ見つめた。
「蒼空。車か?」
その言葉を受けて小林さんは息を整えながらも強い視線で折戸さんを見つめている。いつもの爽やかさも優しさもなくそこにあるのは強く男らしい視線でその真っ直ぐさにドキッとしてしまった。
「はい。近くの駐車場に置いてます」
「なら安心だな。俺はまだ少し仕事を残しているのでホテルに戻るから美羽ちゃんのことを頼むよ」
「はい。マンションまで送ります」
小林さんの言葉に折戸さんは満足げに頷くと私の方を見てニッコリと笑った。その微笑みは本社営業一課で初めて会った時のように感じたのは何故だろう。折戸さんは最初から優しかった。
「美羽ちゃんが頑張っているのを見ることが出来て安心した。じゃ、俺は帰るよ」