あなたと恋の始め方①
「そう。高校生デート。ずっと立っていると疲れるよね。寄り掛かっていいし、立ってられないならどこかに座ってもいい」
そう言って少しだけ強く抱き寄せられる。身体の触れる部分から温もりを感じて、それだけでもドキドキが止まらないのに、小林さんはいつも通り。私だけこんなにドキドキが止まらなくなってズルいと思う。でも、このまま居たいと思った。時間が止まって欲しいと思った。
初めて見たショーは楽しくてウキウキしたし、横にいる小林さんも楽しんでいるように見えて…やっぱりドキドキした。そして、楽しい時間は終わりを告げて、集まっていた人は散り散りになって行く。向かう先は次のショーなのか、アトラクションなのだろう。さっきまであんなに人がいたのに、いつのまにか閑散としていた。
「終わったね。遠くからだったけど、見えたの?」
「はい。とっても楽しかったです」
「それならよかった」
小林さんは少しホッとしたかのような声を零すと、さっきまで優しく抱き寄せていてくれた腕を私の肩から放した。『寂しい』と思ってしまった私に小林さんはニッコリと笑いながら、私の手をそっと握る。肩を抱いていた腕の感触が背中から消えていく感覚を寂しいと思ってしまった。
「美羽ちゃんはこっちの方がいいでしょ。緊張しているのが丸わかり。でも、少しずつでいいから俺に慣れてね」
そう言って少しだけ強く抱き寄せられる。身体の触れる部分から温もりを感じて、それだけでもドキドキが止まらないのに、小林さんはいつも通り。私だけこんなにドキドキが止まらなくなってズルいと思う。でも、このまま居たいと思った。時間が止まって欲しいと思った。
初めて見たショーは楽しくてウキウキしたし、横にいる小林さんも楽しんでいるように見えて…やっぱりドキドキした。そして、楽しい時間は終わりを告げて、集まっていた人は散り散りになって行く。向かう先は次のショーなのか、アトラクションなのだろう。さっきまであんなに人がいたのに、いつのまにか閑散としていた。
「終わったね。遠くからだったけど、見えたの?」
「はい。とっても楽しかったです」
「それならよかった」
小林さんは少しホッとしたかのような声を零すと、さっきまで優しく抱き寄せていてくれた腕を私の肩から放した。『寂しい』と思ってしまった私に小林さんはニッコリと笑いながら、私の手をそっと握る。肩を抱いていた腕の感触が背中から消えていく感覚を寂しいと思ってしまった。
「美羽ちゃんはこっちの方がいいでしょ。緊張しているのが丸わかり。でも、少しずつでいいから俺に慣れてね」