あなたと恋の始め方①
「俺は?」
「へっ?」
一瞬、何を聞かれているのか分からなくなった。だから、私の口から漏れたのは息を吐いたような何とも形容しがたい声だった。『俺は?』ってどういう意味?もしかしたら、自分のことをどう思っているのかを聞いている?そんな私の戸惑いに気付いたの、小林さんはもう一度口を開いた。
「俺のことは好き?」
二度目に聞かれたのは間違いようもない質問だった。
雑踏の中とはいえ、ここは公共の場。まさか、こんな場所で小林さんが『好き』なんて聞いてくるとは思わなかった。好きというのは恥ずかしい方が先で、でも、聞かれたからには気持ちに応えたくて、キュッと唇を噛んだ。小林さんに自分の気持ちを伝える。
大好きだって。一緒にいて楽しいって。今日も今までで一番幸せだと思っているって…。
顔が真っ赤になるのを感じる。自分の頬の熱さを覚ましたくて、両手で包むと私のその姿を見ていた小林さんがニッコリと笑う。私の言葉を待ってくれているのだろうか?それなら私は自分の気持ちを言葉にしようと思った。
自分の中で言葉を探していると時間だけは過ぎていく。でも、伝えたいことは一つだけで私は心に決めて小さく深呼吸した。そして、口を開こうとすると、タイミングがいいのか悪いのか。キャストの人がケーキの乗った銀色のトレーを持ってきたのだった。
それを見て、私は少し開いたばかりの唇が…ゆっくりと閉じた。
「へっ?」
一瞬、何を聞かれているのか分からなくなった。だから、私の口から漏れたのは息を吐いたような何とも形容しがたい声だった。『俺は?』ってどういう意味?もしかしたら、自分のことをどう思っているのかを聞いている?そんな私の戸惑いに気付いたの、小林さんはもう一度口を開いた。
「俺のことは好き?」
二度目に聞かれたのは間違いようもない質問だった。
雑踏の中とはいえ、ここは公共の場。まさか、こんな場所で小林さんが『好き』なんて聞いてくるとは思わなかった。好きというのは恥ずかしい方が先で、でも、聞かれたからには気持ちに応えたくて、キュッと唇を噛んだ。小林さんに自分の気持ちを伝える。
大好きだって。一緒にいて楽しいって。今日も今までで一番幸せだと思っているって…。
顔が真っ赤になるのを感じる。自分の頬の熱さを覚ましたくて、両手で包むと私のその姿を見ていた小林さんがニッコリと笑う。私の言葉を待ってくれているのだろうか?それなら私は自分の気持ちを言葉にしようと思った。
自分の中で言葉を探していると時間だけは過ぎていく。でも、伝えたいことは一つだけで私は心に決めて小さく深呼吸した。そして、口を開こうとすると、タイミングがいいのか悪いのか。キャストの人がケーキの乗った銀色のトレーを持ってきたのだった。
それを見て、私は少し開いたばかりの唇が…ゆっくりと閉じた。