あなたと恋の始め方①
私の視線はカップルに注がれる。見たいわけじゃないけど、私と小林さんの行く方に歩いていくから仕方ない。前のカップルはレストランに入る少し前が暗がりなのをいいこと熱愛ぶりは加速している。横にいる小林さんはどう思っているだろうと思ってしまうほど、私には刺激が強過ぎた。
ここは日本だというのに、いきなり前でキスをして、歩き。また、少し行ってはキスをする。
小林さんの方を見上げると、視線が絡んで少しだけ困ったような顔をした。小林さんも目のやり場に困っているのだと思う。かといって今この場所を離れるわけにもいかなくて、ただ我慢するしかないと自分にいい聞かせた。
「美羽ちゃん。行こう。別に此処じゃなくてもいいし」
「そうですか?別の場所まで行って倒れません?」
「倒れたら引き摺ってくれるんだろ」
そう言ってニッコリと急に走り出す。急に手を引かれて驚きはしたものの、あのカップルの甘い雰囲気を目の当たりにするよりは精神衛生上はかなりいい。でも、引かれて走るスピードが速い。多分、小林さんの中では軽く走っているつもりだろうけど、私には速過ぎる。小林さんの速さは研究室に籠っていた私とは全く違う体育会系の走り方だった。このままマラソンにでもいくのかと思うくらいのスピードに息が切れだして、さっきとは違い意味でドキドキが止まらない。
心臓が壊れそう。
「小林さん。もう少しゆっくり」
「え?」
ここは日本だというのに、いきなり前でキスをして、歩き。また、少し行ってはキスをする。
小林さんの方を見上げると、視線が絡んで少しだけ困ったような顔をした。小林さんも目のやり場に困っているのだと思う。かといって今この場所を離れるわけにもいかなくて、ただ我慢するしかないと自分にいい聞かせた。
「美羽ちゃん。行こう。別に此処じゃなくてもいいし」
「そうですか?別の場所まで行って倒れません?」
「倒れたら引き摺ってくれるんだろ」
そう言ってニッコリと急に走り出す。急に手を引かれて驚きはしたものの、あのカップルの甘い雰囲気を目の当たりにするよりは精神衛生上はかなりいい。でも、引かれて走るスピードが速い。多分、小林さんの中では軽く走っているつもりだろうけど、私には速過ぎる。小林さんの速さは研究室に籠っていた私とは全く違う体育会系の走り方だった。このままマラソンにでもいくのかと思うくらいのスピードに息が切れだして、さっきとは違い意味でドキドキが止まらない。
心臓が壊れそう。
「小林さん。もう少しゆっくり」
「え?」