あなたと恋の始め方①
夢の中で
折戸さんを見送ってしまうと、後には何も用事がなくて、これからどうしようかとは思う。このまま静岡に戻るだけではもったいない気もする。でも、明日は仕事なのだから、やっぱりこのまま静岡に帰る方がいいのだろうか?
「美羽ちゃん。この後どうする?用事がないなら買い物にでも行く?」
「私は何も用事はないですが、小林さんは何か欲しいものがありますか?」
「特にはないけど美羽ちゃんと買い物に行こうかと思って。まだ、静岡に帰りたくないし。で、また名前の呼び方」
昨日も言われたけど。つい『小林さん』と言ってしまう。『蒼空さん』というのが中々慣れないから、気を抜くとつい。まだ、慣れる気配はない。
「蒼空さん」
私が名前を呼ぶと小林さんはゆっくりと繋いでいる手を少しだけ強く握り、そして、私の大好きな微笑みを浮かべていた。これで間違ってないみたい。こうやって少しずつ時間を重ねれば、きっと普通の恋人同士のようになるのだろう。
「さ、行こうか?」
そんな言葉と共に私は小林さんと一緒に歩き出したのだった。向かった先は東京に住んでいる時に何度も買いもに言った場所だった。そのうちの何回かは小林さんと一緒に行ったこともあるけど、会社の同僚としていくのと、こうやって付き合いだしてから行くのは違う。
手の温もりが違う。言葉の色と距離も違った。
「美羽ちゃん。この後どうする?用事がないなら買い物にでも行く?」
「私は何も用事はないですが、小林さんは何か欲しいものがありますか?」
「特にはないけど美羽ちゃんと買い物に行こうかと思って。まだ、静岡に帰りたくないし。で、また名前の呼び方」
昨日も言われたけど。つい『小林さん』と言ってしまう。『蒼空さん』というのが中々慣れないから、気を抜くとつい。まだ、慣れる気配はない。
「蒼空さん」
私が名前を呼ぶと小林さんはゆっくりと繋いでいる手を少しだけ強く握り、そして、私の大好きな微笑みを浮かべていた。これで間違ってないみたい。こうやって少しずつ時間を重ねれば、きっと普通の恋人同士のようになるのだろう。
「さ、行こうか?」
そんな言葉と共に私は小林さんと一緒に歩き出したのだった。向かった先は東京に住んでいる時に何度も買いもに言った場所だった。そのうちの何回かは小林さんと一緒に行ったこともあるけど、会社の同僚としていくのと、こうやって付き合いだしてから行くのは違う。
手の温もりが違う。言葉の色と距離も違った。