あなたと恋の始め方①
恋の痛み
そう直感してしまうのは私の神経が小林さんに全部向かっているからで、小林さんの女の子を見つめる優しい眼差しを見ながら胸の奥が少しだけ痛くなった。今まで、小林さんの周りにはたくさんの女の人がいた。でも、いくらその女の人が小林さんに夢中になっても、当の小林さんが相手にしないから、私も安心していられたのだと思う。
でも、そんな私が心を揺らすほどの小林さんの優しい微笑みに胸が痛くなるばかりだった。その優しすぎる表情をなんと表現したらいいのか分からないけど、愛おしいものを見るような表情が私を不安にさせる。
その女の子は守って上げたくなるような全てを持っていた。
『のどか』と言われた女の子は小林さんにとってどんな存在なのだろう?
「律くんは車の所に行ってます。私がカーディガンを忘れたのを取りにいってくれたんです。一緒に取りに行くと遅くなるって」
「それは律の方が当たっているな。のどかが一緒に行ったら三倍くらいの時間は掛かるだろ」
「酷い。蒼空先輩。さっき、律くんが言ったのと同じこと言うんだもん」
「そっか、で、何でここに来たの?家の近くにいくらでも映画館はあるでしょ」
「そうなんですけど、ドライブに律くんが連れてきてくれて、で、ここを見つけて入ることにしたんです。でも、蒼空先輩に会えるとは思わなかった。嬉しいなぁ。で、そちらの方は先輩の彼女さんですよね?」
「そうだよ。綺麗な人だろ。俺が惚れて口説き落としたんだ」
でも、そんな私が心を揺らすほどの小林さんの優しい微笑みに胸が痛くなるばかりだった。その優しすぎる表情をなんと表現したらいいのか分からないけど、愛おしいものを見るような表情が私を不安にさせる。
その女の子は守って上げたくなるような全てを持っていた。
『のどか』と言われた女の子は小林さんにとってどんな存在なのだろう?
「律くんは車の所に行ってます。私がカーディガンを忘れたのを取りにいってくれたんです。一緒に取りに行くと遅くなるって」
「それは律の方が当たっているな。のどかが一緒に行ったら三倍くらいの時間は掛かるだろ」
「酷い。蒼空先輩。さっき、律くんが言ったのと同じこと言うんだもん」
「そっか、で、何でここに来たの?家の近くにいくらでも映画館はあるでしょ」
「そうなんですけど、ドライブに律くんが連れてきてくれて、で、ここを見つけて入ることにしたんです。でも、蒼空先輩に会えるとは思わなかった。嬉しいなぁ。で、そちらの方は先輩の彼女さんですよね?」
「そうだよ。綺麗な人だろ。俺が惚れて口説き落としたんだ」