あなたと恋の始め方①
「昔のことだよ。そろそろ行かないと映画に間に合わないぞ。のどかが映画を楽しみにしているんじゃないか?」
そう言ったのは小林さんで、一ノ瀬さんは自分の腕の嵌っている時計を見ると、ハッとした顔をする。時間は思ったよりも過ぎていたのだろう。
「あ。もうすぐ始まる。今日はのどかの好きな恋愛ものなんです。俺は寝るかもしれません」
そう言いながら、一ノ瀬さんは自分の髪をクシャっとして微笑んでいた。寝るとか言いながらもそれなりに見ているのではないかと思う。でも、この一ノ瀬さんと言う人が喜んで恋愛映画を見るとは思えない。アクションとかファンタジー系とかどちらかというとそんな雰囲気だ。
でも、のどかさんはどう見ても恋愛映画という雰囲気。
「蒼空先輩からも言ってくださいよ。映画が終わった後の感想を言うのが面白いのに、私の言葉にいつも『そうだった?』とか『そんなセリフあった?』とかばかりなんです。どんなに私が泣いていても律くんが泣くことないんですよ」
いや…。いくら感情移入しても男の人は泣かないと思う。
「ヒロインの細かな台詞まで覚えてないですよ。マジで覚えられないし」
「うーん。律の言い分も一理ある。さすがに台詞まではな。律は恋愛ものはあんまり興味がないんだよ。でも、のどかのために付き合っているんだからな。その辺は分かってやれよ」
そう言ったのは小林さんで、一ノ瀬さんは自分の腕の嵌っている時計を見ると、ハッとした顔をする。時間は思ったよりも過ぎていたのだろう。
「あ。もうすぐ始まる。今日はのどかの好きな恋愛ものなんです。俺は寝るかもしれません」
そう言いながら、一ノ瀬さんは自分の髪をクシャっとして微笑んでいた。寝るとか言いながらもそれなりに見ているのではないかと思う。でも、この一ノ瀬さんと言う人が喜んで恋愛映画を見るとは思えない。アクションとかファンタジー系とかどちらかというとそんな雰囲気だ。
でも、のどかさんはどう見ても恋愛映画という雰囲気。
「蒼空先輩からも言ってくださいよ。映画が終わった後の感想を言うのが面白いのに、私の言葉にいつも『そうだった?』とか『そんなセリフあった?』とかばかりなんです。どんなに私が泣いていても律くんが泣くことないんですよ」
いや…。いくら感情移入しても男の人は泣かないと思う。
「ヒロインの細かな台詞まで覚えてないですよ。マジで覚えられないし」
「うーん。律の言い分も一理ある。さすがに台詞まではな。律は恋愛ものはあんまり興味がないんだよ。でも、のどかのために付き合っているんだからな。その辺は分かってやれよ」