あなたと恋の始め方①
何の約束を私はしたのだろう?
ずっと会話の流れを考えても思い浮かばない私に折戸さんは優しい表情で意地悪を言う。綺麗な顔に少し浮かぶ意地悪な顔のドキッとする。折戸さんとの約束だったら、私はきっと忘れないはず。なのに、私の頭の中には何も残ってない。軽いものではないけど、これじゃ説得力に欠ける。
「ごめんなさい」
覚えてないのは私が悪いから素直に謝ることにした。それにしても私は折戸さんと何を約束したのだろう?謝った後でも思い出せない。そんな思いで折戸さんの方を見つめるとさっきの意地悪そうな顔は全くなくて、そこにあるのはいつもの優しくて穏やかな微笑みだった。そんな微笑みに怒ってないとホッとはするけど、本当に約束を覚えてなかった。
「じゃ、もう一度言うね。この間の美羽ちゃんが作ってくれたハンバーグのお礼をしたいけど、今日の夜は空いている?」
それは覚えていた。別にお礼をして貰うほどのことじゃないけど、折戸さんは確かに口にした。でも、今日は高見主任と一緒に仕事をするだろうし、東京に帰ると思っていた。今回は取締役と一緒の静岡支社と研究所の訪問が大きな仕事。となると、夜は一緒に会食というのがお決まりな流れになる。
だから、約束はまたのことだと思っていて、まさか今日の夜とは思わなかったから、約束さえも記憶から消えていた。
「今日の夜ですか?折戸さんは高見主任と一緒に東京に帰るんじゃないですか?それに取締役とも会食とかはあるんではないですか?」
ずっと会話の流れを考えても思い浮かばない私に折戸さんは優しい表情で意地悪を言う。綺麗な顔に少し浮かぶ意地悪な顔のドキッとする。折戸さんとの約束だったら、私はきっと忘れないはず。なのに、私の頭の中には何も残ってない。軽いものではないけど、これじゃ説得力に欠ける。
「ごめんなさい」
覚えてないのは私が悪いから素直に謝ることにした。それにしても私は折戸さんと何を約束したのだろう?謝った後でも思い出せない。そんな思いで折戸さんの方を見つめるとさっきの意地悪そうな顔は全くなくて、そこにあるのはいつもの優しくて穏やかな微笑みだった。そんな微笑みに怒ってないとホッとはするけど、本当に約束を覚えてなかった。
「じゃ、もう一度言うね。この間の美羽ちゃんが作ってくれたハンバーグのお礼をしたいけど、今日の夜は空いている?」
それは覚えていた。別にお礼をして貰うほどのことじゃないけど、折戸さんは確かに口にした。でも、今日は高見主任と一緒に仕事をするだろうし、東京に帰ると思っていた。今回は取締役と一緒の静岡支社と研究所の訪問が大きな仕事。となると、夜は一緒に会食というのがお決まりな流れになる。
だから、約束はまたのことだと思っていて、まさか今日の夜とは思わなかったから、約束さえも記憶から消えていた。
「今日の夜ですか?折戸さんは高見主任と一緒に東京に帰るんじゃないですか?それに取締役とも会食とかはあるんではないですか?」