I'm crazy about you.
4:七海
***
先週は一度もメールをしなかった。
そして、一度も京輔からの連絡はなかった。
―― 虚しい。
その言葉に尽きるかもしれない。
会社に可愛い子でもいるのかもしれない。
京輔はモテるから、いつでも周りに女の子がいるはずだから。
高校の時も、大学の時も、いつでもそうだったし。
だからと言って、私にはそれをどうする事もできないもの。
私は自分だけが好かれている自信なんか持てなくて、嫌われたくなくて。
何をされても「彼女」でいさせてくれるならそれでいい、ってずっと思ってきた。
京輔のいない人生なんて想像もつかなくて、繋ぎ止めておく事に必死だった。
でも。
「潮時、なのかな…」
鏡の中のもう一人の自分に問い掛けてみる。
力のない瞳。暗い表情。
いつから自分はこんな顔をしているのだろう。