I'm crazy about you.
『お前さぁ……誰かと一緒にでもいる訳?』
京輔のその言葉に私は絶句。
『なぁ、黙ってるって事は肯定?』
「違う!」
咄嗟に叫ぶと、横を通り過ぎた人にビックリされた。
零れる涙を子供みたいに手の甲で拭った。
こんなに好きで好きでしょうがないのに、なんで京輔には伝わらないんだろう?
我儘も言わないで待ってるのに、なんで放っておいてる京輔が私を疑うの?
私の中の、古傷が痛んだ。
思い出したくない記憶。
忘れられない、ただ奥底にしまって強引に鍵を掛けただけの記憶。