I'm crazy about you.
「京輔は…どう、なの?」
言ってはいけないと、頭の中で警笛が鳴り響く。
携帯を持つ指先が、酷く冷たく震えた。
『何が?』
「…また…また私を言い訳に浮気するの?」
自分の声がどこか遠くに聞こえて、締め付けられる胸に息苦しくなった。
電話の向こうで京輔が息を飲んだ事に気付いた。
好きなのに、なんて酷い言葉を口にしているのだろう。
もう私達は、傷付け合う事しかできないのだろうかと、喉の奥がギリギリと痛んだ。